実は、転職して図書館員になりました

カテゴリ: > 泣けた

 

直木賞の本。図書館が夏季の連休なので、
いつもは遠慮している本を借りてみました。
次の開館時には返します。

この表紙の絵が素晴らしくて
そのおかげで
本の内容が頭の中にリアルに映像化されます。

しゃべれない犬から人間が読み取って
心に寄り添う場面が短編ごとにあって、
その度にホッとしてあたたかい気持ちに。


人を救うためにいてくれる犬がいて欲しい。
それはこんな凛として静かで優しい犬であって欲しい。

本当に「文章が上手い」ってこういうことなんだろうな。
内容がすーっと感覚として入ってきます。


ちょうど

 
『サバイバルファミリー』を
観たところだったので、

遠い道のりを食べ物もなく移動する
大変さを想像したり。


エアコンの効いた部屋で、こんな本や映画を
読める贅沢を満喫しました。


しみじみ幸せ。




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八日目の蝉 (中公文庫) [文庫]
角田 光代 中央公論新社 2011-01-22

不倫相手の赤ちゃんを誘拐し、
自分の子と偽りながら育てるが
結局露見してしまう。

保護され、成長した娘も
その後葛藤しながら生きることになる。

蝉は生まれてから7日しか生きられない。
8日目の蝉は孤独か、それとも
普通では見られない景色が見られて
幸せか。という題名のようです。


犯人の女性のしたことは
もちろん重罪で、
誘拐された側の身を切られるような
思いが想像できるのに、

犯人の女性の視点で書かれているので
どうしても擁護してしまう心境になる。
愛情深く子どもを育てていることも
伝わってくる。

テレビドラマ

八日目の蝉 DVD-BOX [DVD]
檀れい NHKエンタープライズ 2010-09-24

映画

八日目の蝉 通常版 [DVD] [DVD]
井上真央 アミューズソフトエンタテインメント
2011-10-28

どちらもとてもよかった。
女優さんたちが素晴らしくて。

赤ちゃんが女の子だったということも
この話の大前提であるように思う。


母性って難しい。

母性が求められ、必死で役割を果たそうと
しているだけなのに


やりすぎると犯罪になりそうなことなど
日常でたくさんある。

犯罪と言わないまでも
人を傷つけることが多々ある。

そして他人の母性など
やっかいでうっとおしいものだ。


そんなことを考えつつ、
不倫、妊娠、中絶など
とにかく女性ということについて
自覚させられるすごい一冊。


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漁港の肉子ちゃん [単行本]
西 加奈子 幻冬舎 2011-09-01

漁港に住む母娘の話。
母一人子一人で暮らす女の子は、
明るくて太っている母のことが
恥ずかしい。


小学生の友達関係やクラスのこと、
毎日いろんなことを考えながらの
煩わしくも楽しい日々が書かれている。


設定は自分とはかけ離れているのに
なんだか目に浮かぶような感覚。

そして主人公の女の子の強さに救われて
どの登場人物もとても魅力的で
愛すべき人のように思えて
「泣ける本」だった。

明るいっていい
自分も失敗ばっかりで
うっかりで、ダメ母だけど
まあいっかー


西加奈子さんは、
自分で表紙の絵も描かれていて

まく子 (福音館の単行本) [単行本]
西加奈子 福音館書店 2016-02-25


その絵が印象的で、尊敬する。

本人もよくテレビに出られていて
とてもかわいらしい人だ。

椎名林檎さんやmikikoさんと
旅をする番組とかとても良かった。

有名になるべくして
なった人なんだろうなあ。


言いたいことはちゃんと言って、
周りの才能を引き出す感じ。



こんな人がもし私の友人にいたら
一緒にいて楽しいと同時に
才能に圧倒されて身を引きたくなるかもしれない。


身を引かずに頑張ってみたい。




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先週から、子どもの受験のことで
迷ったり、考えたり話したり。

先週まで数年間、ブレずにきたところで
急な方向転換、青天の霹靂

子どもと話せる時間でもあって、
これもまた楽し。

うざいと思われてるんやろな。
そういうもんだ。
母親って理不尽


*************


子ども達が小さい頃、
この著者の方の講演を聴くチャンスがあった。
何も知らずに行ったけれど、
とてもいい内容だった。


この方が校長先生だった時に始めた
「弁当の日」
子ども達が自分でお弁当を作って
持って行く日。




この校長先生は、
母親がいない家の生徒さんとか
貧しくて食事にも困る生徒さんを
目の当たりにして

「食」=生きること であることを
子ども達に教え、
生きる力を育む教育を実践している。


今日食べるものがないと
困っている生徒がいる。

教師の仕事はそこで、
何かを買ってあげるのではなく、
自分で料理を作る力をつけてあげることなんです。


絵本 「弁当の日」がやってきた! !
竹下和男
河出書房新社
2015-09-26



それまでも私も子どもに料理を
教えてはいたけれど、
それは「将来」のためだと思っていた。
1人暮らしとか未来の家族のためとか。

弁当の日は、
料理をしてくれる人への感謝や
楽しさ、工夫を学べる。
「今」とても大切なことだ。

どんな勉強よりも役に立つ。
将来を変えてあげられるかもしれない。

ああ、こういうの好きだなー


たぶん今は全国的に弁当の日が
拡がっていて、こちらの学校でも
年に数回、自分でお弁当を
作っていこうという日がある。



料理のせいだけという訳ではないけれど、
私が子どもの頃より
うちの子はずっと大人だ。

今回の受験のことで
ああ、やっぱり子どもだったんだなと
思ったくらいだ。
よかった。悩みや本音を聞けてよかった。


自分のつらさが分かってもらえるとは
到底思ってない。
今自分ができることをやるしかない。



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クリエイターばかりが暮らすアパートに住む
人気作家の作品をめぐっての社会現象に、
最上階に住む家主やその他の住人が
巻き込まれていく。

実はこの本はとてもよかった
誰も死なないミステリーだし、
登場人物の設定もしっかりしていて
心が弱っている時に読み返したい。


ただ正直、私は大手を振って
この本が好きだと、人には言いにくい。
例えば「タピオカが好きだ」と言えないのと同じで。

タピオカが気持ち悪いと思う人がそこにいたら、
それでも好きだとは言えない人間だ 


この本は、
心に響く人が限定されている気がしてしまう。
心が弱い人のみに共鳴するのではないだろうか。

この本が好きだと公言することは、
弱さと、誰かに助けて欲しいという気持ちを
さらけ出しているように感じてしまう。

*************

そんな本は他にもあって、


これもそうだった。

実は子どもが読みたいというので
買った本だったけれど、
借りて読みながら号泣?した。
一気に読んだ。

*************


スロウハイツの方は、
「どんなに退屈でも上巻を読み切ること
という注意をネットで知ってから読んだ。
これ大事。

まさしくくじけそうだった。

この映画もそうだった
カメラを止めるな! [Blu-ray]
濱津隆之
バップ
2018-12-05

最初の30分は必ず観て下さいって
監督が言ってた。

観てよかった。

*************

スロウハイツの読後感は
心が温かくなるうれし涙で、ああ、救われた、
きっと誰かがちゃんと見てくれてるんだな、
そういうのがあれば生きていけるな
と思える希望があった。


実際の世の中は、
弱くては仕事もできない。
それでも誰かが共鳴してくれれば
頑張れる気がする。

本当は、自分がそういう「誰か」になりたい。
他人の弱さを否定する人間を納得させられるまでに
自分はまず強くなる必要があると思っている。

強くなるのに必要なことは

 気にしないこと
 忘れること
 人の痛みを分かりすぎないこと
 失敗することを恐れないこと
 嫌な時はイヤと言うこと

こんな感じ?


いい大人が何言ってんだかと、
無神経な人は言うかもしれないけど
「いいひと」をやめるリハビリ中だもんで。





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キネマの神様
原田 マハ
文藝春秋
2008-12-12


この本について書きたいと思って
最近また読んでみた。

そしてこんな話だったのかと、
改めて
今また読んでよかったと思った。

映画好きだが借金だらけのダメ父を、
映画雑誌に関わる娘が巻き込んで
ネットの力によって思いがけないことになる話。

今で言うと、バズって映画界を動かした、
っていうことになるけれど、
これが発表されたのが2007年だと思うと
ブログ黎明期がいい形で記録されている気がする。

ネットは人をつなげるし、
世界を変えてくんだという感動が、
自分にも何かできるんじゃないか」と
いう気にさせてくれます。


この本に出てくる「父」は79歳で、
ブログを始める。
それが現実的とは思えないけれど、

年齢を重ねた人こそ、
インターネットは便利なのだとは思う。


私は1年くらい前、
出歩けなくて気が滅入るという両親に、
タブレットを使って欲しいと購入し、
究極に簡単に使えるように設定したけれど撃沈した。

連絡も今まで以上に取れるし
いろいろ楽しいことができると説明したけれど
その入口のドアさえ開けてもらえなかった

わかるけどね。

残念。
世界を拡げることができたかもしれない。



原田マハさんは、
絵画が専門っぽいようでありながら、
映画や政治、農業や学校についての本があったりして
どれも「文化」として
興味が湧くのだろうと思い尊敬する。

どれも面白い。





旅屋おかえり (集英社文庫)
原田 マハ
集英社
2014-09-19






本当に偶然なのか、
原田マハさんの本を読むと、
そのジャンルの話をタイムリーに実社会で
耳にすることが多い


たぶんアンテナが働くんだな。

浅かろうが何だろうが、
その世界をわずかでも知ってるだけで
その後の吸収力や想像力が違うってもんだ。


「キネマの神様」には
私でも観た有名な映画ばかりで、
マニアックな感じがなくてそれもいい


今、自分のために使える時間があるからこそ
この間に、いつか役に立つことが
あるかもしれないから何かしておこう。

そう本気で思わせてくれる作家さんだ。
自伝とかあったらぜひ読みたい。


先日観たテレビで
武井壮さんが言ってた、
時間があるときこそ武器を磨くとき
っていうのも忘れないように書いておこう。



ただ正直、
結局なんにもできないのが人間てもので。


そこがアレだな、入り口のドア
人のこと言ってる場合じゃない。
世界が拡がるかもしれないのに。




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書くなら1冊目はこれがいいかなあと思う。

20年以上前、テレビでちょっとした再現の映像を交えて
この本が取り上げられていたのを観て、

その話が印象に残って忘れられず、数年後に、
どうしても原作が読みたくなって

図書館で調べてみよう

と行ったものの、題名も著者も分からず
途方にくれて
そばにいた若い図書館員さんに声をかけてみた。


テレビで観たんですけども
これこれこういう話の本があるはずなんですが、
ご存じないでしょうか。とダメ元で聞いてみたら


その番組、私も観ました





しばらく探してくれて、見つかりました。


何年も前やで 


ネットもまだそんなになかったし。

たぶん、マニアックな趣味が合う人を見つけた瞬間とは
こういう感じなのだなと今は思う。




シベリア抑留されていた方々の実話。


極寒でわずかな黒パンのみで過酷な労働を強いられ
精神的にも追い詰められて
どんどん死者が出ていく中、

真面目すぎるほどに真面目な青年が
まわりと助け合って生き延びようとするけれど
叶わず、遺書を残して亡くなる。

厳しい環境の中、遺書を持ち帰ることなど
到底無理で、数人が分担して暗記し、
いつか遺族に伝えようと決意する。

自身も生きて帰国できる望みなどない中、
時間をかけて暗記し、

やがて帰国できた後、時間はかかったものの
それぞれが青年の奥さんのもとへ
伝えに訪れる。






あまりに過酷な抑留生活を知り、

前だったか後だったかは忘れたけれど

村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」を
読んだ時にも出ていた抑留者の壮絶な環境に

その後の自分の世界観が少し変わったような気がする。






あと、そんな環境の中で抑留者たちが建設した
オペラハウス「ナボイ劇場」は
丁寧な建築、装飾で、大地震にも耐え、
地元の人たちから今でも感謝されているというのを
知った時も、涙が止まらなくなってしまった。







そうやって本に泣きながら
自分は抑留もなく、人殺しを強要されることもなく
あったかい洋服と家、食べ物に囲まれ、
昔に思いを馳せる。
たぶん到底理解などできていない。


そして本当に抑留された方々が
堅く口を閉ざして多くを語らないというところに、
もっと本当の厳しさがあるのではないかという気がする。


人はやっぱりその場に身を置かれないと
本当のところは分からない。


分かったようなことは言うまい、


と思う。






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